今回はIPO(新規公開株)で公募価格割れをした男性の体験談です
男性はもう上場前から儲かったも同然だと考えていましたが、まさかの公募割れに固まってしまいました
そして上がることしか想定していなかったので、どうしていいかわからないまま保有し続けました
私が株式投資に手を出してしまったのは23歳のころ、ちょうど就職に困っていた時期でした。
就活対策にと、面接対策の本や公務員試験対策の本を見回りに古本屋さんめぐりをしていた私は偶然にも株式投資の本を手に取ってしまいました。
ちょうど、学費や今度の生活のことが気になっていた時期でしたので魔が差したともいえます。
「大学生が株式投資で3億円を稼いだ」というテーマの本で、今冷静になって考えると、ずいぶんとお金を無駄にしたものだなと反省しています。
当時は、SBI証券やマネックス証券などを利用しており、FX(外国為替証拠金取引)もやっていました。
IPO投資とセカンダリー投資をはじめる
株式投資では信用口座を開設して、IPO投資やセカンダリー投資を中心におこなっていました。
そんななか、偶然取得できたのが、バイオベンチャー企業で上場前にはものすごく評判の高かった「リボミック(4591)」でした。
2014年9月25日に新規上場した同社。抗体よりもターゲットとなる物質への結合力と特異性が高いといわれる人工RNAアプタマー創薬に強みをもつバイオベンチャー企業で、上場前には、従来の医薬品創薬技術では不可能だった難病の治療などもできる、こんな公募価格では終わらないと騒がれていたことを覚えています。
もう勝ったも同然という気分
そんななか、ほかの書籍で「IPO投資は高勝率」とIPOブームに関する情報も仕入れていた私は、買う前から大勝ちしたような気分でいました。
IPO投資では7~8割程度の銘柄が上昇していると勝手に思い込んでいた私は、上場が開始され目を疑うことになります。
まさかの公募割れに画面を見て固まる
公募価格が確か2300円くらいだったはずが、寄り付きでついた実際の市場評価額は1830円。
20%を超えるとんでもないマイナスから始まりました。
「なにかのシステムトラブルか。まちがいでないか。」
前評判の高さから、値がついてから1~2分ほどはまったく身動きがとれず、取引板やニュース、某株式掲示板などを見て異常ではないか調べていました。
とりあえず保有し続けることにした
結局、当時はよく原因もわからないまま保有することになりました。
東証マザーズという新興市場でリスクが高いことも当時はよくわかっていませんでした。
短期投資に失敗すると今度は、「長期投資でなら、きっといつか大化けするはず」と投資前には目論んでもいなかった戦略へ変更することになります。
株価は急落しつづけ、いったんは持ち直したものの(これがいけなかった)、2015年には1000円をも割り込みます。
50%の損失で損切り
100株しか投資していなかったものの、およそ半額程度の値段で手放したことになります。(マイナス9万円。なんと50%ロス)
「長期投資で何倍も」どころか、ものの数か月で半分以下になってしまった大失敗な投資でした。
なぜあんなことをしたのか、のちに神経経済学の本「あなたのお金と投資脳の秘密」を読んで痛感しました。
人間には、自己都合に良いふうに考える癖があって、競馬やパチンコ、宝くじといったものの期待値は判断できても、同じギャンブルである短期投資となると何か崇高な賢くかっこいいことをしていると錯覚してしまうイタイ思考特性があるようです。
価格が上がる想定しか考えていなかったため対応が場当たりになった
そもそも明確な取引ルールも損切りも考えずに、価格が上がることしか想定になかった時点で負ける原因しかありませんでした。
現在は、すべての証券口座を閉鎖して堅実に小銭をコツコツを稼ぐ人生を送っています。
小さな金額でも他人の役に立って生きられる、本当の喜びを得たような気がします。